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zoom RSS 堀内誠一の世界(5) 瀬田貞二との出会い

<<   作成日時 : 2011/09/22 20:49   >>

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<瀬田貞二との出会い>

 1959年(27歳)瀬田貞二氏に会う。
 
1979年 8月、瀬田貞二氏死去。

 この校正中、私の絵本の仕事に関してばかりでなく、人生の導き手であった瀬田貞二さんが急逝されました。連載中も瀬田さんが見ていてくれることを当てにしてましたので、これほど気落ちしたことはありません。
 
「あとがき」『父の時代・私の時代』堀内誠一 マガジンハウス

浦和の師匠 瀬田貞二(1916〜79)

 作家、翻訳家、児童文学研究者。代表作に昔話の再話『かさじぞう』(1966)や『ふるやのもり』(1969)、トルーキン『指輪物語』やC・S・ルイス『ナルニア国物語』の翻訳など。

堀内誠一とは、1959年ごろ福音館書店の仕事を通じて出会う。以来、浦和に住む瀬田貞二を「浦和の師匠」「浦和天神」と慕い、生涯にわたり交流した。画家の瀬川康男をまじえ日本各地の祭りをめぐったり、家族ぐるみでイギリスやイタリア旅行をともにするなど、旅の仲間でもあった。

 日本やヨーロッパの近代絵本についてはもちろん、昔話やメルヘンをはじめ、江戸から明治にかけて隆盛したおもちゃ絵や、フランスのエピナルの民族版画、とりわけブーテド・モンヴェルやアーディゾーニについて、

また美術や音楽、その他のさまざまな領域において堀内誠一に多大な影響を与える。『七わのからす』(グリム作、1959)、『お父さんのラッパばなし』(1977)などで共作。

 『堀内誠一旅と絵本とデザインと』コロナ・ブックス


 初めて瀬田さんにお会いしたのは昭和34年の1月、前から付き合いのあった路子と結婚して半年ほど経った頃でした。

 図書室で幼い頃見知ったたくさんの本に出会いました。旧かなの黄ばんだ紙のぬくもの、右から読む横書きのタイトル、懐かしい装丁図案。知っていたようで初めてと同じラッカムやデュラックの絵、百年以上にわたる西欧の絵本の世界。更に明治から江戸にさかのぼる和本絵本の世界が加わります。

 こうしたもののかもす魔法がかかって、それに一冊ごとによせる瀬田さんの愛着と楽しみようが加わって、図書室が近所の子どもたちに開かれたのと同じように、私は四十になってもまだ瀬田さんという優しい人の庭先で遊んでいる子どものようにしていました。

(中略)

 こうした旅の朝、床の中で気づくともう瀬田さんはとうに起きていて、ベランダの椅子で本を一冊読み終えた姿を見ます。「醒めましたか?」と声をかけられる笑顔がなつかしいです。

「堀内さんは半分眠っていても必死に自分を起こそうとやっていますが、瀬川さんは起こされて、これはもう一途に怒ってますね」

「瀬川さんの仕事は調べに調べてのかい掘り型、堀内さんのは投網型ですね」
 
     「瀬田さん」『ぼくの絵本美術館』堀内誠一 マガジンハウス

[H49]  堀内誠一より渋澤龍彦へ

 1979年9月9日 アントニー→鎌倉 アエログラム
 拝啓ごぶさたしています。

 八月には十日間スペイン旅行をしていのですが、その途中で、瀬田貞二さん(注1)が急逝されたのを帰ってから知って、気落ちしておりました。

 瀬田さん宛の手紙が多い、自分の“手紙の本”(注2)を整理することでやっとチャンとしていることができます。

 こうした本を作ること、自分では納得できずにいましたが、何か感じては聞いてもらえる人に手紙を出すという、そういう相手がいるということが素晴らしいことで、そうした存在を分かってもらえるとしたら私の手紙の価値もあったことになります。渋澤さんは、ぜひ永生きして下さい。

※1 瀬田貞二(1916−79)は絵本と児童文学の研究家・翻訳家。堀内誠一が長く敬意をもって交友してきた年長者である。

※2 前年の『パリからの手紙』のこと。堀内誠一は渋澤龍彦宛と同様、瀬田貞二にも多くの絵手紙を送っていた。

  『旅の仲間 渋澤龍彦・堀内誠一往復書簡』2008年6月 編・巌谷國士 晶文社





お父さんのラッパばなし
福音館書店
瀬田 貞二

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