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zoom RSS 堀内誠一の世界(13)『おやゆびちーちゃん』

<<   作成日時 : 2011/10/06 10:14   >>

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<『おやゆびちーちゃん』>

 アンデルセンがほんとに書きたかったこと――なぜ「親指」が幸福になれたのかという理由(アンデルセンの作品にハッピーエンドが少ないということを思い出してください)

それは「親指」がだれよりも美しい心の持ち主だったからなのですが、多くの改作、ダイジェストは「親指」の容姿が美しかったからということになっていすます。

「親指」はこがね虫のお嫁さんになってもいいと思っていたのに、こがね虫の親類たちに、何てみにくい虫だろうと反対されたのです(いいえ、ほんとうはとても美しい娘でしたのに、とアンデルセンは語っていますが「親指」はそれを自分では知らないのです)。

もぐにの家からの脱出は、もぐらとの世界観の違いをさとったからで、「親指」にはもぐらへの憎しみはなく、もぐらも悪い人では決してないのです。

神の時代と人間の時代との間に妖精の時代があり、「親指」は妖精であり、つばめは詩人の魂であるという、深い象徴は理解するのが無理としても、小さい子どもにわからないことばは、一つもアンデルセンは書いていません。

(中略)ぼくとしては初めて、いくつもの色版を別々に描いて製版した、いわばHiFiの印刷で、細かいタッチがよく出た絵本です。

 『ぼくの絵本美術館』

☆わし

『おやゆびちーちゃん』アンデルセン作・木島始訳(福音館書店、1966年)は「親指姫」という名で普及している原作の居使いないし安易さを叩蔵という松居さんの懸案でした。

原作名は単に親指の愛称で、彼女は自分を美しいとも選ばれたものとも思っていず、ヒキガエルのお嫁さんになれないのをむしろ悔み(ヒキガエルの息子の方で全然興味がない)、モグラとの結婚話も、モグラを嫌いさげすんでいるのではなくて、決定的に別の世界観があることを悲しむのです。

アンデルセンの童話は珍しいハッピーエンドですが、(完全には『みにくいあひるの子』だけという気がしますが)、おやゆびは精霊族で、決して「ニルス」のような小人にされた境遇ではないというところが意味深い作品です。

絵をつけるにはただ作者に近づくしかないのですが、デッサンが出来なきゃいけないな、とつくづく思いました。「植物、昆虫、動物、人間の順に描けてますね」とは瀬田さんの評でした。


 名作童話を視覚化することには意味がない、“絵本は認めない”という評もありましたが、結局は新しい読みを表現できたかということでしょう。

       『父の時代・私の時代』堀内誠一 マガジンハウス

☆☆

 堀内さんには注文をつけなかった

松居 僕は、堀内さんに仕事をお願いするときは、すべてお任せしました。まったく信頼していましたし、注文なんかしたことないですよ。

 初めてお会いした当時は、僕もまだ新米の編集者ですから、舌足らずなことを言ってましたが、堀内さんは何をこちらが言いたいのかということが、余計な説明をしなくてもだいたい分かってくださる感じだったんですね。

ぴたっぴたっとおっしゃることが当たっている。ひらめきのようにものを僕は堀内さんに感じました。その雰囲気とセンスとひらめきにほれちゃったんだな。

 注文をつけたのはアンデルセンの『おやゆびちーちゃん』(1967年)をお願いしたときだけです。

アンデルセンは、情景を全部文章で書いてますから、絵にするのが大変難しい。絵がただの文章の説明になってしまうからなんです。

だから、アンデルセンの作品の絵本というのは、だいたいうまくいかないんですよ。

もし絵本にしたければ、絵になる言葉を全部崩して、骨組みだけにしたダイジェイスト版にするのが一番です。


 このときには、『文章は原作のままでいきます。この中で挿絵を考えてほしい。いわゆる絵本の挿絵ではなくて、物語の挿絵とはこういう風なものですよ、といった新しい本作りの仕事をしてください』ということを申し上げました。

 物語が読み取れるということでは、イラストレーターの第一条件です。

物語を読み込んで、自分のイメージを広げながら、絵で読者を

共感させる世界をいかに表現するかということが大切です。

その次に、絵が上手か下手かということが問われます。

編集者は、この物語ならあの絵描きさんというのをきちんと判断しないといけないんですよ。その選択を間違えるとうまくいかない。

 「この物語の絵は描ける人がいないね」というときに頼むのが、堀内さんという画家さんでしたね(笑)。

    「絵本画家、堀内誠一の世界(その2)」『母の友』2005年1月号




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